

使用作品:(表)春映法隆寺 (裏)那智
サイズ:31cm×21.8cm
那智 再興第72回院展
[総理官邸貸出作品]
1987年(昭和62年)後藤純男57歳
私が滝を描くようになったきっかけは、何と言っても北海道の層雲峡との出合いでした。原生林を切り裂くように流れ落ちる滝の、圧倒的な存在感に打ちのめされました。それをきっかけに30代の頃は、層雲峡を中心に全国の滝を集中的に取材したので、院展への出品作が滝の絵ばかりなもんですから、「滝屋」と揶揄(やゆ)されたりもしましたが、この滝を描いた作品で、毎年院展で賞を受賞させて頂いたり、何とか絵描きとしてやっていけるかなと、そんな希望を持つことができました。
熊野那智大社の別宮(くまのなちたいしゃのべつぐう)・飛瀧神社(ひろうじんじゃ)に御本殿は無く、参拝した人々は神社の御神体である那智の滝に手を合わせることになります。滝全体を正面から拝見できる場所に立ちますと、その御姿から発せられる圧倒的な迫力に、自分が大変恐れ多いことをしているような気持ちになりまして、畏怖の念を抱きながら(いだきながら)スケッチをさせて頂きました。(後藤談)
※商品写真等はいずれも実物を撮影したものです。色調が若干異なる場合がございますが、あらかじめご了承下さい。