作品名:春映長谷
額装サイズ:73.7cm×87.0cm
製作年:1995、製作部数:250部、限定部数:10部
付属品:装布タトウ、黄布袋、紐
春映長谷 [総理官邸貸出作品]
1991年(平成3年)後藤純男61歳
6月 日本美術院監事となる
9月 北海道上富良野にアトリエを開設。
奈良の長谷寺は、真言宗豊山派の総本山です。私の父親はここの宗派の住職で、私も十代後半まで僧侶の修行をしていましたが、寺を継ぐか、絵の道に進むか大変悩みました。寺の檀家さんは少なく、ましてや絵で生計を立てるなんていうことは、雲を掴むような話で、どちらの道に進むにも相当な覚悟が必要でした。決心がついたのは「どうせ苦労するなら、好きな道でしろ」という父親の言葉でした。
初瀬山の中腹に在る長谷寺は、山の斜面を利用した見事な登廊や、桜・紅葉など四季折々の風景美に恵まれた、自然と歴史の融合が実に美しいお寺です。風景画家として歩み始めてからも、御山内に逗留させて頂いたり、宗派の皆様には言葉で尽くせぬ程、お世話になりました。
ここを訪れる度、私は絵の世界へ送り出してくれた父との思い出が蘇ります。
大講堂・襖絵のご依頼を頂いた時には、ようやく皆様にご恩返しができると、精魂込めて描かせて頂きました。(後藤談)
※商品写真等はいずれも実物を撮影したものです。色調が若干異なる場合がございますが、あらかじめご了承下さい。