



後藤純男 『十勝岳連峰』を印刷した名刺台紙。
100枚入り
十勝岳連峰
2002年(平成14年)後藤純男72歳
1990年に北海道内各地で開催された私の個展がきっかけで、翌年上富良野町にアトリエを建てました。その後、数年毎に建物を増築して、10年かけて現在の「後藤純男美術館」となりました。2002年に美術館が新たなる門出を迎えるにあたり、私なりの祝意として、この「十勝岳連峰」を制作しました。ここにアトリエを建てる決めてとなったのは、十勝岳連峰の眺めです。
一年中山の様子を見ていると、雪解けが進み山の稜線が際立つ春先、山が自分の魅力を問いかけてくるんです。プロの絵描きとしては、見たままの風景ではなく、山の持つ魅力を最大限に引き出し、最良の答えが出せるよう努力するわけです。思い切り自分の意思を押し上げて、山を見下ろしてみると、隠れていた十勝岳の峰々が姿を見せてくれる。「神々が遊ぶ庭・カムイミンタラ」とアイヌの人々が敬った山の全貌が、原生林に守られ、厳かな姿を現してくるようです。(後藤談)